fringerというマウントアダプター -その3-
2017/12/02
カメラ
またGFX50SにつけてCONTAX645のレンズがつけられるというマウントアダプターのfringerについて書きます。というよりも、fringerはレンズとカメラ本体の間に装着するだけなので、それにつけるレンズについてのレビューみたいなものですね。「その1」fringerの紹介とそれにつけるレンズを購入したこと。「その2」はそれらのレンズで撮影した写真とボケ味について紹介しました。今回はもう少し解像力について触れていきたいと思います。あまり一般受けしない内容のブログになりますが、私がfringerを購入検討しているときに数少ない色々なブログを参考にさせてもらっており役立ったので、いずれどなたかの検索で引っかかった時に、一つの参考にしていただきたく、しつこいようですが、ここに綴らせてもらいます。長期的に使っていないので、先のことはわかりませんが、今の所は買ってよかったなと思っていますよ。
これはFUJIFILMの純正標準レンズで撮影した写真です。これを同じような画角でCONTAX Vario-Sonnar T* 45-90mm F4.5というズームレンズで撮ってみました。
いかがでしょうか。ぱっと見た感じ違いがわかりません。今も昔もよいレンズはしっかり写るのだということなのか・・。ではこれを拡大してみましょう。撮影データは同じです。まずFUJIFILMから
次にCONTAXのズームレンズの場合
PCで見ている時はこれでもあまり違いを感じませんでした。さらに倍!ドーン
ここまでアップして樹の幹などを見ると「あ、ちょっと違う〜」と思いました。FUJIFILMの方がシャープな画像が得られています。これがレンズの進化ということなのでしょうね。さすが。
でもPhotoshopなどで画像処理をしていても思うことですが、シャープだからよいということでもないと思います。シャープがいいのであればレタッチでシャープネスをガンガンかけていけばいいと思うけど、そうはしないのは、曖昧なよさというのもあるということなのではないでしょうか。だからこそ時にはノイズを加えるなどして、昔の高感度フィルムで出ていた調子にしていくなんてこともあるのだと思います。
解像力が高いことにこしたことはないけど、技術者が考え進歩していきたいことと、撮り手が考える望ましい絵は時に少しずれていることもあるように思えます。
以下の写真はズームとレンズを変えて見える画角の違いを見てみました。こうしたテストをすることで、撮影時に自分の思い描いている絵と使うレンズがマッチするので、テストで感覚を合わせておくのはとても大事だと思っています。
↑ 45-90mmの45mmで撮ったもの
↑ 45-90mmの90mmで撮ったもの
↑ 広角の35mmで撮ったもの
↑ こちらは210mm。どれも良好です。
昔、Carl Zeissのレンズのハッセルブラッドを使っている人の写真を見ていて、なんでブレていたり、ピントがずれているのにいい写真に見えるのだろうと思ったことがありますが、レンズだけのせいじゃないとは思いますが、その良さの一部をレンズの力が引き出しているのかもしれません。それが味というものなのでしょうか?正直Carl Zeissのレンズで撮っても「やっぱ違うよね〜ボケがなめらかだよね〜」とは私の感受性に問題があるのか感じたことがありません(笑)。そう思えないことに残念な気持ちにもなるのですが、でも、オールドレンズを好む人が多くいるのは、今にはない曖昧さのようなものがあったりするからなのでしょうかね?他にもマニュアルフォーカスであることが、一見面倒に見えて、実際に撮ってみると落ち着いて写真が撮れるので、撮っているという緊張感と、写真をやっていることの喜びはオートよりも感じることはあります。でも、なんでもそうですが、何で作るかより、何を作るかの方が大事なので、こんどは腕を磨いていることをより考えていきたいと思います。
さて、これらのテストで仕事でも十分使えるものであると判断しました。
次回は実際に仕事で使った作例をお見せしたいと思います。これでこのコーナーはラストにするつもりです。
About Us
日本大学芸術学部卒業後、2003年に独立。広告、書籍、雑誌、web、などで撮影活動中。2011年に、フードフォト専門の写真教室「フェリカスピコ」を設立し、約4000人の受講者がいる。Apple Store表参道、渋谷ヒカリエのイベント内でのレッスンも。「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「Rの法則」(NHK)などメディア出演も多数。 > 料理専門の写真教室 フェリカスピコ