椅子の修理
2017/12/25
日常のこと
料理写真教室フェリカスピコの佐藤です。
今日はカメラじゃなくて日頃使っている椅子について。
私がいつも座っている椅子は中古の輸入家具店で購入した北欧のものです。数年前になりますが埼玉県の東松山というところにあるTanukiというお店をネットサーフィンでみつけて結構安く購入しました。
しかし、北欧家具ともあると私にしては背が高すぎて深く座ると足がつかず、いつも自然に前の方で座っていたら、座面の布が擦れてきてしまいました。しかもお尻が沈み込み、フレームの前の部分が太ももに当たって痛い!でもやっぱりなーんとなく時はすぎごまかしながら過ごしていました。解決すればいいのになんとなくやり過ごしてしまうことってないですか?今回の場合はそれがもうやになってなんとかしようと思いなんとかしたというお話になります。
ある日、そう思い立って近所の注文家具屋さんに行き、店主に「椅子の張り替えってやっていらしゃいますか?」と尋ねてみました。そうしたら、その方は親切にも「うちで頼むと高くつくから、ご自分でやってみてはいかがですか?」と意外な回答をされました。「え?そんなこと素人にできるんですかー?」と返したら今度は雑誌を持ってこられて、こんな感じですよとDIYで張り替えをしている記事を見せてくれました。「なるほど」。。燃える!萌える!自分でやってみようというファイトが湧いてきました。
まさか自分でこんなことと思い込んでいましたが、ネットで調べたら色々載っている。YouTubeにも細かく出てるくらいです。家具屋さんに教えてもらった通りにまずは道具を揃え、Amazonでホッチキスみたいなガンタッカーという道具と、椅子の中に張るウェービングテープというもの、ミンネでウレタンのクッション、イケアで裏にはる布、肝心の表の布は色々探しましたが西武百貨店の生地屋で気に入ったものを購入しました。特に表の貼り地は趣味もありますし、座面なので丈夫なものを選ぶことをおすすめします。ネット上にもたくさんショップはあり、サンプルも取り寄せることができるので、ここは慎重に。
で、道具がそろったら、いよいよ作業に取り掛かります。まずは座面を外して裏返し、ガンタッカーで打ちつけた針を一つ一つ抜いていきます。もしこのブログを見て私もやってみようと思う方がいらしたら、事前にお伝えしますが、この作業が一番面倒で心が折れそうになります。
椅子の内部なんて見たことがなかったけど、このガンタッカーについては、これでもかというくらい打ちつけてあり、数えてないけど、累計で何百本抜いたかわかりません。しかもそれなりに力のいる作業なので、抜くだけで疲れてきます。
このクロスしているのがウェービングテープ。硬いゴム紐のような素材で、座った時に沈み過ぎず反発してくれます。お尻が沈んでしまっていた原因はこのテープが劣化して伸びてしまったのと、本数がすくなかったからなのではないかと思います。今回はこれも全て張り替えの対象になります。でもテープはこの裏から打ちつけてあるので、その前に座面の布を剥がします。
さらに青い座面の布を剥がすために、またもやガンタッカーの針を抜いていきます。ここまできて思ったのが、頼んだら数万円する意味がわかっということでした(笑)。でも、もう引き返せません、年末年始、気持ちよく座って仕事ができるように意地でもやってやるという気持ちでした。すでに腰はガタガタでしたが。。
やっとこ布が剥がれたと思ったら今度はウレタンが接着剤でついていることに気がつきました。なかなかウェービングテープにはたどり着けず、また地道にこのウレタンを手でちぎりながら、剥がしていきました。これがぺったんこになっているのも、座りごごちが悪い原因。ついているのは接着剤なので、座面のフレームに少し残ってしまうのですが、ある程度はカッターで削ぎ落とし、ある程度はどうせまたかぶせるので目をつぶりました。自分の椅子なのでそこは自己責任でサボるとこはサボっていくのです。
これもすごい数のガンタッカー!!!またかと思いながも地味に抜いていくのです。今回は2脚分なので、この作業がまたあるのかと思うと気が遠くなりましたが、朝が来ない夜はないと一心不乱に抜き続けるのでした。
全てが取り終わったら、最終的には木のフレームだけになります。でも最終とはいえ、これがスタートライン(涙)。今度は逆の作業にとりかかります。まずは新しいウェービングテープを張り直しました。お尻が沈み込んでいるのが嫌だったので、今回はビンビンにテンションをかけながらウェービングテープを打ちつけていきます。細かい作業は一人で写真が撮れないのでよかったらYouTubeとかを検索してみてください。きっとその道のプロが解説してくれています。
剥がす時とは逆に、ガンタッカーを打ちつけていくのは、ちょっと快感です。ビシッ!ビシッ!と音をさせながらどんどん固定されていきます。テープをつける作業が終わったら、今度はウレタンを。どうもウレタンはこういう具合に2層になっていることが多いらしく、土台になる硬い層とお尻に当たる柔らかい層に別れているようです。今回はなぜかミンネで一つ1000円くらいで見つけてしかもすでに2層になっているものが、接着されている便利なものを発見したので、これを使い。椅子にあったサイズにカットしていきました。白い部分が大きめにカットしてあるのは、座面の側面に巻き込んで丸みをおびさせるためです。その丸みが太ももに当たる箇所でもあるので、ここは大事なところだと思います。
巻き込んだウレタンは接着剤で張ると、次に修理する時に大変な思いをするので、これも大雑把にガンタッカーで打ちつけました。ガンタッカーを打つ作業は快感といいましたが、結構力がいるので、翌日手がパンパンになっていました。
ウレタンが終わったら座面の布を張っていきます。ここでのコツは、布がシワにならないようにピンと引っ張りながら、ガンタッカーを打っていくのですが、妻のアドバイスで対角線になる箇所を順に張っていきました。右上を張ったら、次は左下という具合に。なぜ妻がというと、昔大学で油絵を専攻しており、キャンバスを張った時のコツだとのことでした。こういうことは経験者に従うべき。ありがたく素直に言う通りにしていきました。その甲斐あってうまくいきました。
ここは裏面。要は中身が見えないようにする見た目の問題なので、座りごごちには関係ないと思いますが、布が飛び出ないようにアイロンで折り目をつけてきっちりサイズに合わせました。本当に苦労しましたが、自分でやると愛着が湧いてきます。
仕上げに椅子につけていきます。感涙です!万歳!
今回は背もたれの修繕は必要なかったので、あえて行いませんでした。布地は同じものがなく似たものを探しても中途半端に合ってるんだか合ってないんだかという気持ち悪い感じになるので調和のとれた単色深緑のものを選びました。これももともとインテリアの仕事をしていた妻のアドバイス。とっても助けられました。
作業はこれで終わりというわけではなく、せっかくなので、私の背には合わない長い脚を椅子も机も切ってしまうことにしました。妻も私も身長は小さいのでズバッと6cm。計12本の脚をノコギリでカットしました。これはとりかえしがつかないのでかなり勇気がいる作業ですが、過ごしやすさが一番と集中してやり抜きました。
今回このためにホームセンターで購入したノコギリ。その名もピラニアⅡ。すごい迫力で、正直ジャケ買いでした(爆)。パート2ってことは、パート1はどんなものだったのか気になります。。
でも、これも事前にネットで調べたのですが刃だけあるノコギリよりも刃の上部に金属のプレートが入っている方がノコギリが曲がらずまっすぐ切れるとのことだったので、これにしたということもあります。
カットする前に脚に目印線をつけてから切るのですが、全てしっかり合わせたかったので、希望の高さで硬いものを選んでそこにカッターの歯をテープで固定させて、一周ぐるりと傷をつけながら回して印をつけていきました。あとはそこをまっすぐ切っていくだけです。ちなみに希望の高さは、辞書を足元に置いて脚がピタリとつくサイズを検討しました。辞書は押したり移動したりすると形が変わるので、硬いもので、同じ高さのものということで今回上の写真のようにバッテリーを使ったのでした。
真剣にやっているのですが、素人なのでやはりカットした面が曲がってしまった脚もありました。やばいガタガタしたらどうしようって思ったのですが、最終的にヤスリをかけて、滑りがよくなるフェルトをはったらなんとなく馴染んでガタはなくなりました。ホッ。
結果、とっても快適になりました。何年も引っかかっていたことが、少しの努力で解決しました。
もともとDIYは下手の横好きでよくやっていましたが、いままでの経験が役にたちました。これでスッキリ、いい新年を迎えられそうです。チャンチャン!
記録カメラ FUJIFILM X-T2
About Us
日本大学芸術学部卒業後、2003年に独立。広告、書籍、雑誌、web、などで撮影活動中。2011年に、フードフォト専門の写真教室「フェリカスピコ」を設立し、約4000人の受講者がいる。Apple Store表参道、渋谷ヒカリエのイベント内でのレッスンも。「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「Rの法則」(NHK)などメディア出演も多数。 > 料理専門の写真教室 フェリカスピコ