バーコード
2018/02/18
撮影のお仕事
料理写真教室フェリカスピコです。
2018年は3月に幕張メッセで開催されるアジア最大級の食品・飲料専門展示会「フーデックスジャパン2018」に参加することになりました。
そんなわけでただいま繁忙期のため、なかなかブログが書けない状態ですが、先日気付かされたあることについて今日は書いてみます。
つい一昨日の話なのですが、レシピ本の撮影をしておりその日は最終日でした。
良い写真が撮れているなという実感もあり、いい感じで撮影も進んでいたのですが、表紙の写真を検討しているときに私が撮った写真をすぐにPCで見て簡単な表紙デザインのようなものをPhotoshopを使って作ってみました。
ただ写真を見ているだけだと想像しにくいので、こうしてPCで映して、レイアウトをすることで簡易的なものですがイメージがはっきりしていきます。
で、そこで言われたことにびっくりしたのですが、私が表紙裏の方に写真を当て込んでみたところ、編集長が「そこにはバーコードがくるからね」とアドバイスをくれたのです。
「あ、そっか」と思いつつ、バーコードの見本のようなものを再び当ててみました。すると「書籍の場合はバーコードが2段になってしかも、本の上の方って決まっているんですよ」と教えてくれました。
「え、そうなの??」と普段そこまで意識していなかったのでとても驚いて、改めて家の本棚をみていると確かに言う通りになっていました。しかも、雑誌とムックもまた違う形式で知らなくてもいいことかもしれないけれどとても気になりました。普段本の撮影に携わりながら、知らないことっていっぱいあるもんだなと改めて気が付かされたわけです。
そこで、いろいろ見てみて、ちょっと調べてみましたー。まずは書籍。最近出版社から依頼がくるお仕事の多くは書籍です。打ち合わせから、撮影、出版に至るまで大変スパンが長いのですが、出来上がった時の気持ち良さはピカイチです。バーコード、よくみてみると編集長の言う通りどれも上の方に2段ありますねー。「うわーなんか発見しちゃったみたいで面白い!」
バーコードの左にあるISBNはInternational Standard Book Numberという本を特定するための世界共通の番号だそうです。最後は「¥1350E」とお値段で終わっていて、この2行が「日本図書コード」。細かいルールは日本図書コード管理センターのHPに載っています。自分も著者に2度なっていますが、こういう細かなことをやってくださっている方がいるとは、本当に出版社の方には感謝感謝という気持ちになります。そして、右の2段のバーコードについては「書籍JANコード」と呼ばれていてかなり細かなルールがあり、色や位置、大きさも決まっています。
上段は左の文字だけの日本図書コードのISBNの部分。下段はおいしいかわいい料理写真の撮り方の場合は「192 2072 01350 6」となっていますが「192」が2段目を表す番号。次の4桁2072が「図書分類」さらに5桁01350が「税抜本体価格」、最後の一桁6が「チェックデジット」となっているそうです。特に「図書分類」と「チェックデジット」が意味不明なのですが、「図書分類」はこの4桁に「販売対象」「発行形態」「大分類」「中分類」が表されています。ちなみに私の本の場合は2072となり、「販売対象」は実用。「発行形態」は単行本。「大分類」は芸術・生活。「中分類」は写真 工芸となっていました。それから「チェックデジット」は捏造を防止するための数値だそうでこの数字を割り出す計算式があるそうです。
超複雑でもう頭から湯気が出てきそうですが、なんとなく面白い。本屋さんもこういったことを理解しているのでしょうか?でもこれがあるから流通の動きが把握でき「そろそろ重版するかも」とか「結構売れてるよ」なんてことを言われるのですね。ありがたし書籍JANコード。ついでに続けて雑誌も見て見ました。今度はバーコードが一段で下の方にあり書籍とは明確な違いがあります。書籍の場合は管理元が一般財団法人流通システム開発センターで委託窓口として日本図書コード管理センターが書籍JANコードを管理しています。雑誌の場合はバーコードは定期刊行物コードと呼ばれ同じく一般財団法人流通システム開発センターが大元なのですが、委託先が書籍とは異なり(株)トーハンが管理を請け負っているようです。また定期刊行物コードには登録や更新にお金がかかるようでとても複雑です。管轄が違うから書籍とは表記も位置も違うということでしょうか??でもこうも明らかに違うと本屋さんも分類しやすいのかもしれません・・。
最後にもう1種類。ムックというガチャピンの相方みたいなものがあります。ムックは雑誌(magazine)と書籍(book)の合の子のようなもので、雑誌にある雑誌コードと書籍にある2行のバーコードが今度は下にあります。「基礎から始める、プロのためのカラーネガプリント」。これめちゃくちゃ懐かしいのですが、昔フィルムを自宅プリントしていたときに参考書として購入したものでした(笑)。これはムックという扱いになります。
雑誌は販売期間が決まっているのに対してムック本は販売期間が決められていないそうです。そのほかにも書籍と違い広告が入れられるというのも作る側のメリットだそうです。版は雑誌のように大きめで、書籍ほど厚くなく読ませるというより、見せる方がメインで写真が多い傾向です。そんなに都合のよいものなら世の中全部ムックにならないのはなんでなんだろうという疑問が残りますがそれは今度詳しそうな方に聞いてみます。
書籍の撮影の際には表4とよばれる裏表紙にも写真を入れることが多く、制作側はそういったことにも気を使っています。他にも本についているカバーをめくるとカラーではないのだけど、カバーとデザインが異なり、これも面白いものです。バーコードになるほどと思った今日この頃、同時に作る側の苦労やこだわりも感じるのでした。
About Us
日本大学芸術学部卒業後、2003年に独立。広告、書籍、雑誌、web、などで撮影活動中。2011年に、フードフォト専門の写真教室「フェリカスピコ」を設立し、約4000人の受講者がいる。Apple Store表参道、渋谷ヒカリエのイベント内でのレッスンも。「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「Rの法則」(NHK)などメディア出演も多数。 > 料理専門の写真教室 フェリカスピコ