サブ機
2017/10/17
カメラ
今日はお仕事で使うカメラについて。
先日ある程度機材が揃ったときにカメラについてブログを書きました。
そこからもう少し進んでサブのカメラのお話をします。
私が持っているカメラは今年の夏に一新してNikonからFUJIFILMになりました。
メインはFUJIFILMのGFX50SとX-T2というカメラ。
2つはタイプが異なりGFX50Sは中判デジタルというセンサーサイズがフルサイズと呼ばれるカメラの1.7倍ほどあるちょっと大きめのカメラです。X-T2はセンサーがAPS-Cサイズというフルサイズより少し小さめのカメラです。いままで持っていたNikonのD5とD3sというカメラはフルサイズという昔の35mm判フィルムと同じサイズでしたので、FUJIFILMにしたことで、サイズダウンとアップを同時にしたということでした。
そこで、仕事的にはまずスタートできるところまで行ったのですが、少し心配なことがありました。カメラが突然壊れたらどうしよう、、
です。一応にいつもはGFX50Sを使っていて、そのサブはX-T2だったのですが、X-T2は機動力のあるカメラで動きものをとかを撮っている時はこれが壊れたらGFX50Sはガンタンクみたいなカメラなので、困るぞと心配していました。実はこれにはとても苦い思い出があり、もう10数年以上前の話ですが、カメラマンとして駆け出しの頃、友達の紹介である格闘技雑誌で撮影をしていたことがありました。正直ファイトマネーも安く、肩に食い込むカメラバックを頑張って担いで基本は徒歩と電車で現場まで行っていました。試合の撮影となるとリングにへばりついて、半日がかかりで撮影ということもざらで、シャッターを切る枚数もものすごく多く、カメラを酷使するだけでなく、終わったころにはヘトヘトになります。でもこれも経験だと耐えに耐えている毎日だったわけですが、あるとき悪魔のささやきが。。「カメラ一台減らしたら荷物軽くなるんじゃね?」。「おおーグッドアイディア」。いつも一台しか使ってないのだから「あり」だねー。なんの躊躇もなく2台あったうちの1台を家に置いて現場に向かったのでした。で、向かった先は女子の総合格闘技の小さな大会でした。観客席には関根勤さんもいて、「本当に格闘技好きなんだな〜」なんてのんきに思って、いつも通り撮影をバシバシとしていたのです。で第何試合だったか記憶は定かではありませんが、撮影した画像を撮っては確認しの作業を繰り返していたら、あるときを境に一枚の黒い帯のようなものが全ての写真に入ってしまっていたのです。「え?」と思ってカメラのレンズを外してミラーをアップしてみたら、なんとシャッター幕が一枚外れていたのでした。
それまでも、バスケだとか、バレーだとか、テニスだとかとにかくシャッタを切る機会が多い仕事をしていたのでもう私のカメラは寿命を迎えていたのでしょう。カメラにはシャッターの耐久回数というのがあり、それぞれの機種によって違いはありますが、あとで調べたらとうにその枚数を越していました。正直超絶焦りました。「カメラ一台しかないし・・どうしよーテロリーーン」。相当 顔面蒼白&挙動不審になっていたのでしょう。そこで神の声が!なんと隣のカメラマンが「どうしましたか?」と声をかけてくれました。正直にカメラを一台しか持っていなくて、それが壊れてしまった旨を話したところ「私もう一台持ってますよ!」と救いの手を差し伸べてくださったのです。「でもフィルムですが・・」。現場はスポーツジムで暗く、フィルムになると感度の面ではかなり厳しいなと思いましたが、そんなこと言ってられないし、とにかく試合は進んでいるし、はやくシャッター切らないとー!とそのお言葉に甘えてカメラを借りることにしました。正直撮れているか撮れていなのか確認もできないし、露出も勘だし気は紛れたものの後先のことを考えると心配だらけだったのですが、なんとか最終試合までむかえてその場を終えることができました。帰りはそのカメラマンにご飯をご馳走し、連絡先を聞き、フィルム代もお返しするからと告げて現像所まで行きました。で、現像してみると・・。「やっぱり暗くて撮れてなーい」という状況になりました。その方には感謝しつつも「やってしまった!やらかしてしまった!どうしようどうしよう」と思っていたのですが、そのカメラをお借りしたカメラマンが趣味で撮っているとのことを思い出し、結局、私のなけなしのギャラを全額その方に渡し、使うカットを買い取らせていただきました。編集者には正直に全てのことを説明し、信頼は失うし。荷物が重いことを理由に犯してしまった自分の甘えをものすごく後悔し、それからはサブ機を持たないということはなかったのでした。とても情けない失敗談です。
昔、寺尾聡さんのインタビューの撮影したときに「君ね!そんなにいっぱい撮ってるけど、この日は2枚とか5枚とかもっと覚悟を持ってシャッターをきれば、きっとキャメラの神様が降りてくるよ」という話をしてくれたことがあったのですが、たった一度しかサブ機を置いてくるなんてことはしたことがないのに、その一度でそんなことが起きるだなんて、そのときばかりはキャメラの神様にお叱りを受けたのだと思います。で、今回もFUJIFILMにしたことで、順調に撮影の仕事は進んでいたのですが、買い物のしめくくりとしてX-T2のサブ機を購入することにしました。最近動画の仕事も少し増えてきて2カメになることもあるしと、購入したのはセンサーが同じT2の弟分のX-T20でした。X-T2とX-T20、操作性や連写能力は若干違うものの撮れる絵は一緒です。もちろんX-T2を2台とも考えましたが、あまり登場回数の少ないカメラに投資するのも何かなと思い。自分が使うシーンを考えて使い勝手に迷わないカメラを選びました。
上の写真はUSBの接続部分。この2台はその形状が異なり、PCと接続してテザー撮影をするときに違う種類のコードを2本持っていかねばならないのは、荷物が増えるからちょっと困るところではありますが、最近はiPadにWi-Fiで画像を飛ばして無線で画像確認をしているし、自分の撮影スタイルを考えるとまあいいかと思える部分でした。電池は同じものなので、充電器が1つで済むという点はメリットです。サイズも一回り小さく、日常や教室で使うにはとてもちょうど良い大きさです。これからはGFX50S、X-T2、X-T20の3台体制で安心して撮影ができます。さて今日のブログは昔の失敗談とそれに基づく教訓の話でした。カメラマンじゃなければサブ機なんて持つこともないと思いますが、きっとキャメラの神様はあなたのところにもおりますよ。ということで、今日の話を締めくくらせていただきます。チャンチャン。
About Us
日本大学芸術学部卒業後、2003年に独立。広告、書籍、雑誌、web、などで撮影活動中。2011年に、フードフォト専門の写真教室「フェリカスピコ」を設立し、約4000人の受講者がいる。Apple Store表参道、渋谷ヒカリエのイベント内でのレッスンも。「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「Rの法則」(NHK)などメディア出演も多数。 > 料理専門の写真教室 フェリカスピコ