クリスマスローズの世界展と奇跡

2月17日から19日にかけて、池袋サンシャインで「クリスマスローズの世界展」という展示会があり、その中日の18日セミナールームで「スマホで綺麗にクリスマスローズを撮影！」というテーマで講師のご依頼を受けました。

一言にクリスマスローズといっても種類はいろいろあるんです。

20代前半から撮影業の方で大変お世話になっている会社からオファーだったので、もちろんOKをしたのですが、教室としては、いつもは料理撮り方の講義をしているし、カメラマンとしても花の撮影を専門にやっているわけではないし、さて、どうしたものかと思いました。

まずは本で下調べをと・・・

もちろん、会場の下見と打ち合わせはしているので、当日はしっかりした講義をする自信はあるのですが、いかんせん、クリスマスローズのことをあまり知らない上に、肝心のクリスマスローズを撮ったことがなく、会場にはクリスマスローズを愛する方々がいらっしゃるわけだし、まずは勉強をして被写体の研究をしなければならないなと思いました。

とその矢先に、ちょうど時期だからか、NHKの「趣味の園芸」という番組で横山直樹さんという園芸家の方がクリスマスローズの解説をされていました。(後でわかったことですが、横山さんは私が写真のセミナーをする次の日に講義をされる有名な園芸研究家の方でした。)

「ふむふむ」となんとなく一部分かったような気になったのですが、撮ろうにも撮る被写体が家にないわけです。そこでテレビを見た後に、次に行った行動は園芸店に行ってみることでした。幸い近所にオザキフラワーパークという大きめのお店があったので、ではと早速行ってみることにしました。

でもテレビで言っていたとおり、種類がありすぎてどれを買ったらよいのやら正直「???」でした。形がいいもの、自分が気に入ったものを選ぶのもありだけど、クリスマスローズ業界の中での花形がなんなのかを知ったり、これをモチーフにしていると「この人知らないな〜」なんて思われてしまうものを選ばないようにある程度常識的なことは知っておきたいのですが、花を見ただけでは全然わかりません。なので急遽花選びをやめて、書籍コーナーへ移動しました。クリスマスローズの写真を撮っているプロはどの種類をどんな風に撮影しているのかな？と経験者のやっていることをもとに探っていくことにしました。とそこへ目に入ってきたのが、クリスマスローズを専門であつかう園芸店の情報ページ！「なにっ！！」と住所をよく見てみます。たまたまご近所にあるではないですか！？そんな偶然ってと思いつつ、本を一冊だけ購入し、お店をあとしてその園芸店と思われるところに行ってみることにしました。

クリスマスローズ専門店「ふみ屋」さん

個人的にはクリスマスローズに注目したことはなかったのですが、一度注目しだすと、いろいろ本やお店があることに気がつきます。人は自然に必要な情報とそうでない情報を区別して必要な情報を多く取り入れたがるという話を先日本で読みましたが、本当にそうでした。で、向かった先は西東京市にあるクリスマスローズの育種家の直売店「ふみ屋」さんでした。

さっき行ったお店の比にならないくらいのクリスマスローズ！

ところが時期的に2月が花盛りらしく、到着した時には門がしまっていました。でもお庭で焚き火をしている匂いもするし、どなたかいるのでは？ニョキッと塀から顔を出したら、おひとりおじさまがいらっしゃるので「すみませーん、見学できますか？」と図々しくも声をかけてみました。

こちらが無理を言っているにもかかわらず、その方は快く門を開けてくださいました。入り口には「クリスマスローズの世界展」のポスターが貼ってあり、きっと出店されるのかな？と思ったのですが、感覚的にこの方にちゃんと正直に相談してみようと感じました。「あの、私クリスマスローズの世界展で写真のセミナーをするカメラマンのものなのですが、いまからクリスマスローズの購入を検討していまして、どういったものを撮るのが的を得ているのでしょうか？」少々とんちんかんな質問をしながらも、店主の野口さんは、私の聞いたことの答えの何倍もの情報を提供してくださいました。クリスマローズの種類はもちろんのこと、交配の話まで多岐に渡り、1冊の本を買うより面白かったかもしれません。話は、それだけにとどまらずまだ買い物をしていない私に、ご著書や、自作のカレンダーをくださったりとクリスマスローズ愛がひしひしと伝わってきました。

ちゃんと買いましたよ〜

もちろん、話をただ聞きして帰るなんてことはしたくないし、せっかくなので、アドバイスいただいた美人のクリスマスローズを購入させていただきました。タイトルに「奇跡」と書いたわけはなんなのかというと、ここで出会った野口さんはなんと日本クリスマスローズ協会の理事だったのです。さてとと本腰を入れて撮影する被写体を買いに行ったその日に、ひょんなことからその専門家にお会いできる奇跡。「あんた人の出会いは一生の宝物だよ」という、亡くなった祖母の言葉を思い出しました。

まだテストですが、こんな撮影の提案もしていきたいと思っています。iPhoneで撮影